2017年のライブ鑑賞

音楽配信全盛の時代ですが、生で演奏をみる楽しさは格別です。今年生で観たライブの回想を。

マーカスミラー

マーカスを聴くきっかけは高校生の頃出会ったデビッド・サンボーン。サンボーンの全盛期作品にはほとんどマーカスが参加しており、無意識に聞いていたわけですがマーカスを本格的に好きになったのは1994年のサンボーンのリーダー作『Upfront』からと思います。それから1996年のマーカスの『Tales』でその格好良さにノックアウトされました。今回2012年のビルボードライブでの公演以来5年ぶりのライブ、やはり生で聴くマーカスの演奏は痺れました。

ロバート・グラスパー・エキスペリメント

グラスパーはいま一番ヘビーに聞いているミュージシャンの一人。2015年、記念すべき第一回Blue Note Jazz Festival in Japanで初めて聴いたのがきっかけ。トラディショナルなジャズとR&B/Hip Hopの境界を自由に行き来する革新性が最大の魅力で、BNJFではグラスパー・トリオとして演奏。ダミアン・リードのドラミング、グラスパーのお茶目さにやられました。またこの年のCoverdは個人的にはグラスパーの中でもベストアルバム。今でもこのメンバーのトリオが一番好き。ここではエキスペリメントとして演奏。Bill Withersの"Lovely day"が聴けただけで満足です。

Blue Note Jazz Festival in JAPAN 2017

2017年に3回目の開催予定だったBNJF、今回はヘッドライナーにDonald Fagenをフューチャーして大々的にプロモーションをしていましたが、直前になってFagenの体調不良により全面中止となりました。他にカマシ・ワシントンやグレゴリー・ポーターなど新世代の旗手が来日予定でそれだけでも期待値MAXなのに、まさかの中止。個人的にはこの判断は今でも解せません。多分、他のミュージシャンを楽しみにしていたファンのフラストレーションはMAXだったと察します。(どちらにしても外せない用事が入り行けなかったのでチケット払い戻しなど直接の被害がなかったので、とやかく言うことではありませんが。)

斉藤和義

斎藤和義、2000年代前半から愛聴してます。山梨公演は3回目ですが、全ていっているような気がします。山梨学院中退、石和のホテルで呼び込みのバイトをしていた話など、MCには毎回笑わせてもらっています。代表曲『歌うたいのバラッド』のバンドバージョンの最後のギターソロはライブのハイライトの1つですが、今回は弾き語りツアーということでキーボードでの独演も素晴らしかった。

David Sanborn

高校生の頃から愛聴しているサンボーンさんと、1995年の山中湖ジャズフェスティバル以来22年ぶりに再会。それだけで2017年は最高だったと思います。22年前の記憶が鮮やかなせいでしょうか、さすがに年取ったな・・と感じましたが、新しいメンバーを引き連れての演奏、素晴らしかった。グラミー受賞作のDouble VisionからのMaptoなど懐かしいバラードから、バンドメンバーのファンキーなナンバーまで満喫。いつまでも元気にゴキゲンな演奏を聴かせて下さい。それにしても、マーカスとサンボーンを同じ年に観ることができたのは奇跡です。

2017年の鮮やかな記憶。2018年も新しい出会いがありますように。